カヌー体験から川下りツアーまで、初心者も中上級者も楽しく安心のカヤック&カヌースクール

 【カヌー】ってナニ? 

水上を移動するための最もシンプルな道具

 アウトドア・アクティビティの象徴的な存在になっているカヌー。やってみたいアウトドアのベスト3にいつも入っている水辺のレジャーであるカヌー。この「カヌー」って何ナノ?

舟の仲間であるカヌー

 水の上をスイスイと人の力によって移動するための小さな舟(艇)の仲間の一つがカヌーなんだ。この小舟の中には、大きく分けて「カヌー」と呼ばれるものと「ボート」と呼ばれるものがあるんだ。公園の池などでよく見かけるのがボートだね。呼び方の違いは、「漕ぐ人の向きと艇の進行方向」、「漕ぐ道具」で、カヌーとボートと言い方が変わっているんだよ。
 カヌーは漕ぐ道具である櫂(かい)が艇に固定されていなくて、漕ぐ人が向いているほうに進んで行くタイプの小舟。この固定されていない櫂(かい)を「パドル」と呼んでいる。そしてカヌーには2種類のパドルがあり、それに応じて「カヤック」と「カナディアン(カヌー)」と大きく2タイプに分かれているんだ。
 一般的に、ボートは漕ぐ道具である櫂(かい)の一部が艇に固定されていて、漕ぐ人の背中の方に進んでいくタイプの小舟。一部が固定されている櫂(かい)を「オール」と呼んでいる。

カヌーの歴史的背景と移り変わり

 カヌーそのものの歴史はとても古い。太古の人々が水上交通の道具として、狩猟の道具として作り上げ、世界各地で文明とともに発生していった様々な舟の1つが、カヌーの原形と言われている。

 ■ムカ〜シ、昔のカヌー

 最も古いカヌーは、約6000年前のシュメール人の王墓に残されていたものと言われていたが、同様の頃に極東アジア北極圏から北アメリカ、そして南アメリカに至る地区でも諸民族がカヌーに乗っていたとの報告もあるようだ。
 そして南北アメリカインディアンの小舟、南太平洋ポリネシアのアウトリガーカヌー、ヨーロッパ各地、さらに日本でも古代カヌーと言える丸木舟が発見されているんだ。
 なかでもエスキモー達が使用していた"QUAJA"(クアヤ)は、海獣狩猟が目的の船足の早い「獣皮船」で"KAYAK"(カヤック)の語源になった。「男の舟」として使用されていたこの"QUAJA"は、ダブルブレードのパドルで漕がれ、コクピット(座席)にカバーがされていた。そして彼等は、転覆しても起き上がれるテクニックを持っていた、そうな。
 一方、彼等が主に運搬用として使用していたオープンデッキの「皮舟」は、"UMIAK"(ウミアク)と呼ばれ「女の舟」という意味だった、そうな。
 そして、"CANOE"(カヌー)はカリブ諸島地域の"CANOA"(カノア)が語源と言われ、一般的に「船首と船尾が尖った、櫂で漕ぐ舟」という意味で、軽くて小さな舟を示しているスペイン語に由来していると言われている、そうな。

 ■遊びやスポーツとしてのカヌー

 スポーツやレジャーとしてのカヌーは19世紀中ごろ、イギリスを中心としたヨーロッパで広まっていった。その貢献をした一人がジョン・マッグレガーという人物で、彼は1865年、ロブ・ロイ号と名づけた自信で設計したカヤック(グリーンランド・カヤックをベースにしたもの)で、ヨーロッパのいろいろな川を漕ぎ回り、そのカヌー冒険の本がベストセラーになったという。後に近代カヌーの祖といわれるようになった。
 1936年、ベルリン・オリンピックでカヌー競技が採用され、このオリンピックに参加した日本のボート選手団役員が、ファルトボートといわれる組み立て式カヌー(フォールディング・カヤック)を日本に持ち帰った事が、日本で始まるきっかけとなった。
 その後1960年代に入りグラスファイバー製のカヌーが登場し、スポーツとしてのカヌーが普及していった。そして1980年代に入ってから、現在のカヌーシーンを語るのに欠かせないポリエチレン製のカヌーが登場し、レジャーとしてのカヌーが注目されはじめた。
 さらに1990年代にアウトドアへの関心の広がりとともにカヌーシーンも多様化し、レジャーとして、スポーツとして、ネイチャー・アクティビティの道具として、いろいろなシーンで目にするようになった。
 と、まぁ、こんなあらましです。

 【カヌーで遊ぶ】ってどういう事? 

着衣水泳をする可能性があるアクティビティと考えよう!

 カヌーは人力によって動き、カヌーを浮かべられる水さえあればどこででも楽しめ、アウトドアで遊ぶには打ってつけ。そして漕艇技術の奥深さからスポーツ的性格も持っているので、このカヌーという道具を使って、自然を楽しむネイチャー性と運動そのものを楽しむスポーツ性を合わせ持っているのがカヌー遊びの特徴だ。その楽しみ方の幅の広さや奥深さは、他にあまり例をみないかもしれない。遊び手の捉え方(アイデア)によってカヌー遊びの性格は変わってくるし、またそれがおもしろいんだよね。
 ところで「カヌーは簡単にひっくり返っちゃうの?」と思っている方も多いかもしれない。実は、全く当たり前のことだけど、順を追ってやっていけば、また適切な道具やフィールドの設定をしていれば、そう簡単にはひっくり返らないんだよね。「意外と安定してるね」という感想が多いよ。しかし100%はあり得ないのだ。人間は水に弱い生き物。いざという時のためにも、準備だけはしておこう。
 ということは、全身水の中に入って遊ぶのがカヌー遊びと捉えることなんだ。すなわちカヌー遊びをするときの服装がとても重要になってくるということ。このように捉えることで、カヌー遊びは、より安心して思いっきり遊べ、快適に楽しめるよ。
 さて、たくさんあるカヌーの楽しみ方の一例を示してみよう。


■ツーリングやレクリエーショナル・スポーツ

    • 湖やゆったりとした川でのツアー、穏やかな内海などの散策...
    • 時々白波立つ川でのツアー、うねりがある海などのツアー...
    • 川波や海波を使って自由に遊ぶ(サーフィン、回転、飛んだり、捻ったり...)

■競技

    • 速さを競う
    • 湖などの静水で(レーシング)
    • 川で(ワイルドウォーター)
    • 川で速さと技術を競う(スラローム)
    • 海で長距離を競う(マラソン)
    • 技術を競う(フリースタイル)
    • 球技でゲームをする(カヌーポロ)

■自然と接するためにカヌーを使う

    • 静かに自然に近づく
    • 陸から行けない自然を観察に行く/移動する
    • 釣りをする
    • 無人島に渡る

■挑戦

    • まだ誰も行っていないところを行く
    • カヌーで行けそうもないところを漕ぐ

■他

    • ジョギングのように健康維持、エクササイズとして
    • 雪の斜面を滑る!?
この他にもカヌーの楽しみ方はいろいろありそうだ!

 【カヤック】と【カナディアン】? 

パドリング・スタイルは2種類

 カヌーという舟(艇)を動かすための道具である櫂(かい/パドル)には2つのタイプがある。
 艇の両側を漕ぐことを目的とした櫂(シャフトの両側に水を捕まえるところ/ブレードがある)を【ダブルブレード・パドル】 という。
 艇の片側を主に漕ぐことを目的とした櫂(シャフトの片側のみに水を捕まえるところ/ブレードがある)を【シングルブレード・パドル】という。


ダブルブレード・パドル
シングルブレード・パドル

 そしてダブルブレードのパドルを使って漕ぐことを想定とした艇を " KAYAK "「カヤック」と呼び、シングルブレードを使って漕ぐことを想定とした艇を、日本では「カナディアン・カヌー」と呼ぶ事が多いが、英語的には" CANOE "「カヌーと呼ばれる
 日本では「カヌー」と言えばカヤックも含めた全体の呼称に使われることが多いが、最近はカヤック&カヌーのように使い分けられる場合も多くなってきた。
 【カヤック】のほとんどは、船体の上部が覆われているクローズド・デッキタイプ。
 【カナディアン・カヌー】は、オープン・デッキタイプが普及しているので、このタイプを"OPEN CANOE"「オープンカヌー」と呼ぶ事が多い。
 さらに、静水用、川用、海用などフィールドに応じて、また活動目的(スラローム、ワイルドウォーター、スプリント、フリースタイル、マラソン、サーフィン、ボールゲームであるカヌー・ポロ、等)や移動道具(ネイチャー・ウォチィング、フィッシング、等)として、艇の形や性能が違っている。
 この他、【組み立て式タイプ】:フォールディング・カヤック/カヌーまたはファルトボート、【ゴムボート・タイプ】:インフレータブル・カヤック/カヌーまたはダッキー等がある。
 このように「カヌー」と一言で言っても、実に多くのタイプの艇がある。これはカヌー遊びというものが、多種多様化している現れであろう。そしてこれらの共通点は、艇の形は違えどもいずれも「パドル」というものを使って漕ぐことである。だから総称に「パドル・スポーツ」とか「パドリング」、それをやっている人達を「パドラー」などと呼ぶことも多くなった。

KAYAK

リバー(WW*)カヤック/プレイボート・ダウンリバー系
 ⇒広く普及している一般的なリバーカヤック


★リバー(WW*)カヤック/プレイボート・フリースタイル系
 ⇒フリースタイルもこなすオールラウンドタイプ


★リバー(WW*)カヤック/フリースタイル
 ⇒フリースタイル専用艇で川下りには向かない艇も多い


★リバー(WW*)カヤック/クリークボート
 ⇒急峻で落差のある流れを下る事を目的としている


★ツーリングカヤック・ソロ
 ⇒緩やかな流れ、湖、沿岸部等でショートツーリング


★シーカヤック/コースタルタイプ・ソロ
 ⇒海岸線沿い等をツーリング。運動性の高い艇も多い


★シーカヤック/エクスペディションタイプ・ソロ
 ⇒長期遠征を目的としたビッグ・ボリューム艇


★レクリエーショナルカヤック・タンデム(&ソロ)
 ⇒安定性の高いお手軽な水辺遊びパドリング


★シットオントップ/ツーリングタイプ・タンデム(&ソロ)
 ⇒デッキのないタイプで、静水等でのツーリング


★シットオントップ/プレイボート
 ⇒川下り等を目的としたデッキのないタイプ


CANOE

★オープンカヌー/ツーリング・タンデム
 ⇒広く普及している、緩やかな流れや静水用タイプ


★オープンカヌー/リバー(WW*)/オールラウンド・ソロ
 ⇒川下り用オープンカヌーとして最も一般的なタイプ


★クローズドカヌー/リバー(WW*)/プレイボート
 ⇒リバーカヤックと同等の性能を持つ


*WW---ホワイトウォーターの略:リバータイプの艇にこの呼称を使う事も多い

 カヌーは危ないの? 

セーフティパドリングのために

 大自然の中でやる水遊び・カヌーは爽快で、非日常的な刺激を持つ環境に優しいレジャーです。しかし自然の中には、そして自然の中でやる水遊びには、常に危険が潜んでいます。だから 他のアウトドアスポーツと同様に、一歩間違えれば、本人はもとより周囲の人々をも危険に陥れたり、死亡事故まで誘発する可能性のあるレジャーであることを認識する必要があります。安全で快適なパドリングを楽しむために、自然と付き合うためのルールやマナー、カヌー独特のルールなどを、常に心がけましょう。
 こういったことを認識することによって、より安全で快適なカヌーが楽しめるようになるのです。要は、全く当たり前のことですが、技量や経験に応じて段階的に進めていけばよいのです。そのお手伝い(アドバイス&サポート)をするのが、我々プロ・インストラクターの役目なのです。お任せ下さい!

 楽しく安全に、快適に活動するためのマナー

    • ライフジャケット(PFD)は必ず着用しよう→水遊びであるパドリングには欠かせない必需品
    • 必要に応じてヘルメットを着用しよう→川下りには欠かせない必需品
    • 水温や気温に適したウエアを身につけよう→体が冷えきってしまう【ハイポサーミア】 LinkIcon に陥らないよう、体感温度よりも水温を目安に
    • 艇には浮力対を装着しよう→フィールド状況や特定のモデルには欠かせない必需品
    • 使用前に用具を点検しよう→艇本体だけでなく周辺用具も
    • カヌータイプに合ったレッスンを受けよう→テクニック向上はセーフティの第一歩
    • 単独パドリングは極力謹もう→確かな技術を持った信頼できるパドラーと
    • 増水など、悪条件でのパドリングはやめよう→やめる勇気が大事
    • フィールドの事前調査をしよう→日々、刻一刻とその姿を変える自然
    • 自分の能力以上の行動は慎もう→フィールド状況と自分の技量の見極めは重要
    • 万全な体調でパドリング→避けたい強行軍、もしも体調悪化はリーダーに告知
    • 救急処置法と救命訓練を心がけよう→ファーストエイド・キット(救急箱)の携行
    • ゴミのポイ捨ては厳禁。必ず持ち帰ろう→当たり前のこと
    • 水辺にはパドラー以外の人達も大勢いるので気持ちよく共有できるように心がけよう→ローカル(地域限定)ルールがあることもしばしばなので、地元パドラーからの情報は有益
    • 立ち入りが禁止されている場所へは許可なく入ることは出来ないので注意しよう→ローカル(地域限定)ルールがあることもしばしばなので、地元パドラーからの情報は有益

 ウクディの講習&ツアーでは、上記の事項を十分配慮し、参加者個々人の技量(経験)に応じた自立したセーフティ・パドラーになっていただけるように、段階的に必要に応じたアドバイス&サポートを積極的に取り入れています。

ハイポサーミア(低体温症)

 体温を奪われることで体内温度(深層体温)が下がり、正常な代謝機能が麻痺してしまう症候群の事で、水の中に浸かっていたり、濡れた衣服を着用していることが原因で起こる病気。最終的には死亡にまで至る。症状の目安は次の通り。

    1. 初期:寒気、手のかじかみ、体の振るえ、指先のしびれ等
    2. 中期:体が固く震え、動作が不自然になり、口ごもるようになる
    3. 中期〜重症:自分の意志で体の震えを止められず、話が困難になる
    4. 重症:筋肉が硬直し、意識朦朧、感覚麻痺、言語障害に陥ったり、正常な脈拍を腕から取ることができない

 水中では空中の25倍の早さで体温が奪われていくので、体感温度の高い夏にも発症例が多く見られる。尚、身体の小さな子供は、大人よりも早く発症する。パドリングにおいては最も注意しなければならない病気。
 くれぐれも、水温や天候に適したパドリング・ウエアの着用を心掛けてほしい。

 カヌー遊びに必要な用具は? 

適切な用具選択で安全&快適なカヌー遊び

 カヌー遊びをするときに必要な道具や服装は次の通り。遊び方やパドラーのサイズによって、適切なものを選ぼう。
 また、カヌー用具の購入を考えている方は、ぜひご相談下さい。インストラクターの目で、用具選択のアドバイスをさせていただきます。ウクディではカヌー用品の販売もしていますので、どうぞご利用下さい。

基本用具 ---【レンタルカヌー一式】に含まれています

■カヌーをするのに最低必要な道具

これが無ければ始まらないね。行く場所や遊び方にあったタイプを選ぼう。

 漕ぐ人の体重も影響してくるんだよ。特に体重のある人は大きいサイズのものを選ぼう。

パドル

パドラーの身長や使う艇のタイプなどによって、長さを選択します。

ライフジャケット

PFD(Personal Floatation Device)とも呼ばれる浮力補助具。

 泳ぎに自身のある人でも、カヌーをやるときには必ず着用しよう!カヌー用のものは、体が動かしやすくできているので便利。漕ぐ人の体のサイズに合わせて選んでね。

 また、着るときにはチャックやベルトをしっかり締めて、いざという時に脱げないように、ずり上がらないようにしっかりチェック。

■状況によって必要な道具

ヘルメット

いざという時に頭を守るものだね。川下りをするときには絶対かぶろうね。

スプレカバー

カヤック等のクローズデッキ・タイプの艇で使われる座席に装着する波除けカバー。

 穏やかな湖などでは必ずしも必要ではないけど、川下りをするときや海でツーリングするときには、必ず装着しようね。

浮力体

フローテーションバッグとも呼ばれる艇のための浮力補助具。

 艇の中に大量の水が入っても沈まないように、艇内部に装着される空気袋。川下りをするときには装着しよう。

服装

 パドリングは全身濡れるスポーツであり、運動量もかなりあるという事がポイント。

    • ★動き易い、快適
    • ★濡れたときにも身体を冷やさない
    • ★漂流したときに泳ぐことを妨げない

     

    • 速乾性の素材(ドライシャツ等)、濡れても保温性のある素材(フリース等)のシャツ&パンツやウエットスーツ
    • 防風用にナイロン系ジャケット&パンツ
    • 濡れると体温を奪う綿シャツやジーパン等の綿製品は厳禁

その他

 

ウェットシューズ又は水に濡れてもよいスニーカーやアクアシューズ等。

 水辺で活動する際のケガ防止や着座中の快適性&いざという時のために、脱げにくく&靴底があまり厚くないタイプが良い。

飲み物

水分補給はマメに。熱中症対策にも必需品。沈まない物を。

防水バッグ

濡らしたくない物を入れる。あると結構重宝する。

メガネバンド

メガネ使用者。水に落とす可能性のあるコンタクトは避けた方が無難!?

ポケット灰皿

喫煙者。ポイ捨て厳禁。